多事雑論010 歴史 ~昔も今も②~ひらがな・カタカナ

ひらがな(平仮名)・カタカナ(片仮名)は、いずれも「仮名」、つまり「仮の文字」。
仮名に対して、漢字を「本当の文字」=「真名」という。

日本文化の重要な特色として「女性が文字(=ひらがな・カタカナ)を創った」とは、よく言われることである。女性が文字を創るなど、日本以外の文化圏ではありえないことだと。
過去の出来事としてこれをみると、偉大な歴史的事実であり、高尚な文化的偉業であるように捉えられる。
だが実際、当時の人からすればどうなんだろう?
そこで、その当時=平安時代を、当時の一員になったつもりで、「今」に重ねてイメージしてみよう。

現場は宮廷。若い女官たちが「オッサンには解読不能の文字」を使って、キャピキャピと騒ぎ喜んでいる。そして周囲のオッサン達は「まったく今の若い奴らは…」と、苦々しくそれを見ている。…そんな光景が目に浮かばないだろうか。

現代でもあるではないか。一昔前の「丸文字」とか、今の「メール文字」とか。メール文字など、完全に暗号である。
こうした変形文字は、「カワイイ」への志向であり、かつ仲間内での帰属意識を維持確認しあうための「暗号」であるという。平安時代の女官も現代の女子中高生も、いろいろと女同士の人間関係が大変なのだ。

女子のメールに不快感を示す、現代のオッサン達。平安時代も、これと同じ感じだったのではないだろうか。そして日本の女性達はきっと、昔も今もこんな習性=カワイイものが大好きで、仲間はずれにならないよう必死=を持つのだろう。

で、「女性が文字を発明した」件。歴史を『過去の事蹟』として見るから、こんな大層な表現になってしまう。
文字をひねくって遊んでいた当の本人たちからすれば、別に「文字の発明」という高尚な偉業を為したという自覚もなく、また千年後にそれが正式な文字になるとも思わなかったに違いない。

ひらがな・カタカナは、平安時代の「ギャル文字」だった。だから、ネーミングが「仮名」なのである。